古い自民党政治と同じ立場でブレなくなった――首相交代と菅政権誕生で私が思ったこと

 菅首相の言動を聞く中で、思い起こしたことがありました。


 昨夏の総選挙、私は直接小選挙区広島2区、広島3区の民主党候補の演説を聴きに行きました。
 「日本は米国と対等の立場で」
 「格差と貧困を広げた小泉改革
 「派遣労働は原則禁止」
 「後期高齢者医療制度はすぐにやめる」
 「社会保障が削られ続けてきた。その路線からの転換」
 少子化問題については年次ごとの出生率を数字であげ、「その大本に雇用問題がある。抜本的な子育て支援をしなければ亡国の道をたどることになる」
 彼らの演説は少なくともその時点で国民の要求が反映した内容でした。


 当時、私はそのような民主党に対し、「アメリカと財界いいなり」という日本政治の異常から脱皮する立場がないという限界を感じつつも、「『二つの異常』と国民要求の両立はムリムリ」という態度をとらず、「建設的野党」として是々非々の態度を国民に明らかにしたものでした。
 そして、「是」の部分を一つでも二つでも国民のためになんとしても実現してほしかった。
 困っている人を一人でも二人でも助けてほしかった。


 しかし、残念ながら、その後の9ヶ月間は裏切りの連続でした。
 ◆「日本は米国と対等の立場で」→アメリカとは何の交渉もしないまま、普天間問題では沖縄県民の声よりもアメリカの立場を優先させた。
 ◆「格差と貧困を広げた小泉改革」→財界の要求そのままの消費税増税法人税減税の議論をという閣僚からの大合唱がはじまった。
 ◆「派遣労働は原則禁止」→派遣がなくならない骨抜きの法案の提出。
 ◆「後期高齢者医療制度はすぐにやめる」→4年先に先送りし、今度は65歳から差別医療を持ち込もうとしている。
 ◆「社会保障が削られ続けてきた。その路線からの転換」→診療報酬もほとんどあげない。
 ◆「少子化問題…その大本に雇用問題がある。抜本的な子育て支援をしなければ亡国の道をたどることになる」→子ども手当てのバラ撒き。保育園拡充などには手をつけず。


 私は菅首相の言動「(普天間基地問題については)「県内移設の」…「日米合意をしっかり取り組んでいきたい」」という発言、消費税増税法人税減税を見据えた「財政健全化」のための「与党・野党の壁を超えた国民的な議論」の呼びかけを見て、国民要求とアメリカ財界追従政治との間で揺れていた鳩山首相とはうってかわって、アメリカ財界追従政治(=古い自民党政治)と同じ立場でブレなくなった政権である印象を強く持ちました。


 菅政権発足の6月8日、民主党枝野幹事長と細野幹事長代理は真っ先に財界の総本山、日本経団連会長を表敬訪問しています。
http://www.asahi.com/politics/update/0608/TKY201006080321.html
 恐ろしいのは「普天間基地辺野古移設」「消費税を上げて法人税を下げる」という点では自民、公明、みんなの党も同じだということです。


 私はこの間、県内各地をまわり対話を重ねてきました。中小業者も、医療関係者も、農業関係者も、商工業も、若者も、障害者も、もうすでにがまんの限界を
超えています。後継者不在に悩まされています。大企業中心の政治が続いたからです。
 そして国民の最初の審判は昨年の総選挙でした。次に大きく政治を動かしたのは鳩山内閣退陣でした。


 アメリカと財界いいなりの政治(=古い自民党政治)に「先祖がえり」をした菅政権。いくら巧みに演出をしても、国民生活との矛盾は解決できません。


 私は、みなさんの声、現場で起こっていることをよく聞いて、それが菅政権のもとでは解決できないこと、アメリカにも財界にもモノが言える政治をつくることこそ、国民の願い実現への確かな流れであることを訴えていくつもりです。


 ブログには私の思いだけの文章は書かないつもりでいましたが、今回だけはお許しください。