マニフェスト討論会での私の発言を紹介します。


ローカルマニフェスト推進ネットワーク中国と社団法人広島青年会議所の共催でおこなわれました。
吉川富夫県立広島大学教授がコーディネーター。
主催者の了解のもと、当日の動画リンクを張らせていただきます。
ご覧ください。

http://www.ustream.tv/recorded/13394461


討論会の発言テーマは
(1)マニフェスト発表
(2)個別テーマ1「防災における考え方と緊急災害時の対処法について」
(3)個別テーマ2「広島市の平和行政について」
(4)個別テーマ3「行財政管理運営について」
でした。
以下、私の発言です。

(1)マニフェスト発表

  東日本の大震災で被災にあわれた皆さんに心からお見舞い申し上げます。

 日本共産党は去年、みなさんに「くらしのアンケート」を集めました。
回答を寄せた2500人のうち、「くらしが良くなった」と答えた人はわずか3%。「非常に悪くなった、悪くなった」という人62%にのぼりました。みなさんの実感ではないでしょうか。


 多くのみなさんが期待した民主党政権はわずかの間に自民党と同じようになってしまいました。
 そんな国の悪政のもとでの広島市の役割は、国保にしても介護保険料にしても、平和の問題でも、どんな問題でも、国と一緒になって負担増をみなさんに押し付けるのではなく、それに立ちはだかってみなさんの暮らしを守る立場に立ちきるということです。そういった市民の現状を前提に、私の3つの立場の角度からマニフェストの説明をします。


第一の立場は福祉とくらし最優先の立場に立ちきる広島市ということです。
さきほどのアンケートでは、暮らしの問題で切実な声が多数寄せられました。要望が多かった順に並べたものが「短期で行う重要施策」です。すなわち
国保料を1世帯1万円引き下げ ②子どもの医療費を小学校卒業まで無料にします ③住宅リフォーム助成制度の創設です。
 財源はムダな大型開発をやめることで確保するのですが、 ①高速5号線工事の中止 ②広島駅の南北自由通路の見直し、③広島西飛行場の廃止、です。ただし、先の緊急要求は何をさておいても緊急のものですから、何をおいてもすぐに実現すべき課題です。

第二の立場は、地域産業を徹底して応援しぬく広島市をつくるということです。
 国全体が「消費不況」で覆われている時、地域経済活性化の中心問題は、広島市で現にある、がんばっている力を、育て、伸ばし、それによって需要・消費をのばし、雇用をふやし、さらに力をつけるという循環を地域でつくることです。大企業を呼び込んだり、海外にモノを売ることでは本当の地域振興策にはなりません。そういう内発型、循環型の地域振興策に徹することが地域経済活性化の中心問題だと考えています。
 お手元のマニフェストにある「中長期で行う重要施策」はそういう視点で作成しました。すなわち、<長期>①「中小企業振興条例」を制定し、中小企業・地場産業・商店街への支援を抜本的に強化します。<中期>②急がれる保育園などの耐震化、小中学校普通教室のエアコン設置を3年以内におこなうことなど記入しました。


第三の立場は被爆ヒロシマの悲願である、核兵器廃絶を現実のものにする市政をつくるということです。
 私はそれを現実にするためのハードルは2つあると思います。一つは被爆ヒロシマの市長として、核兵器廃絶そのものを主題とした国際交渉を開始することを世界に求めること、もう一つは国の「核抑止力論」―「核兵器があるから平和の均衡が保たれる」という考えを正し、被爆国としての役割を果たさせることです。被爆体験を踏まえた核兵器廃絶のメッセージを世界に強烈に発信することが求められています。

(2)個別テーマ1「防災における考え方と緊急災害時の対処法について」

 ◆防災における考え方の基本は、災害の発生を最小限におさえること、災害が起こっても被害を拡大させないことです。


 この点で広島市の場合、
 一つは、防災計画を東日本震災の教訓をふまえたものに見直すこと、防災を無視した開発をやめること、各種施設の安全点検と耐震化を徹底することです。
 高速5号線・二葉山トンネルは雨が降ると地盤がもろくなり崩落する危険性が専門家から指摘されている。すぐに中止すべきです。
 施設の耐震化、津波・高潮対策と防潮堤の早急な完了、などは急ぐべきです。急傾斜地も認定されていないものも含めまだまだ残されています。急いで対策をとるべきです。消防や住民などを中心とした地域防災力を強化することも必要です。


 もう一つ、国に対し、原子力行政のあり方の転換を求めることです。「安全神話」と決別し、全国の原発の総点検をおこなった上で、エネルギー政策を原子力から自然エネルギー利用へと抜本的に転換することを求めることです。あわせて上関原発建設計画の撤回を求めることも必要です。


 ◆ 緊急災害時の対処の基本は、被害を拡大させない、すべての被災者を対象にした再建・自立支援を住民参加で実現することです。
 これも、状況把握、情報通信手段の確保と発信、救援活動のありかた、避難所の配置・運営、救援物資の備蓄など、これまでの防災計画を、今回の東日本震災の教訓を踏まえたものに見直すことが必要でしょう。


(3)個別テーマ2「広島市の平和行政について」

(※事前には「オリンピックについての見解」という通知でしたが、当日、急遽「広島市の平和行政のあり方について述べよ」というテーマに変更されました。私は私の「マニフェスト」での提起に加え、自らの被爆体験の継承のとりくみと行政としてのその活動のあり方、黒い雨認定地域の拡大、原爆症認定問題などを前進させることなどについて発言し、オリンピックについては触れませんでした。これは文章にしていませんので、動画でご覧ください。ここでは事前に準備していたオリンピックについての私の見解だけを紹介します。)
 広島市はオリンピック招致計画を白紙撤回して、きっぱり終結すべきです。
 この問題では何より、市民の総意を大切にする立場が必要です。
 巨大な大会を運営するという面でも、財政の面でも、開催地に選ばれる上でも、市民の総意が大前提です。
 しかし、昨年9月に発表した「広島オリンピック開催計画(案)」は、市民の間でも賛同が広がらずゆきづまったことは否定できない事実です。
 これは、私たちの集めたアンケートでもシビアな反応が寄せられています。
 オリンピックそのものは素晴らしい大会です。しかし、「市民の総意」という面からリアルに見つめれば開催にはムリがあります。きっぱりと終結すべきだと思います。
 

(4)個別テーマ3「行財政管理運営について」

 「行財政管理運営」というご質問の趣旨を、「市全体のやりくりをどうするか」「何をどう変えるのか」という意味と理解しました。中心は「財源問題」として、ご説明します。


 行政の事務処理をICT化するなどして合理化することは当然ですが、私は、何百億円も使う「大型開発」、中央の大手ゼネコンが仕事を持っていって、広島の会社が請け負うのは一部分といった「ムダな大型開発」をきちんとやめることが必要だと思います。


 一つは高速5号線工事。これをただちに中止することです。市民の税金800億円が使われています。もうすでにソレイユのところから高速2号線があるわけですから、まさにムダづかい。この工事にともなう二葉山トンネルは、防災面からも、自然を守るという面からも専門家から警告の声が寄せられています。ただちに中止すべきです。


 二つは広島駅の南北自由通路の見直しです。180メートルの通路に127億円。JRの建物なのに、9割を広島市が負担することになっています。見直しが必要です。


 三つは広島西飛行場の市営化は白紙にすべきです。市議会では一定の結論が出たと思いますが、もしこれを許せば200億円の市民の税金がつかわれることになります。東京便も来るあてがありません。仮に来たとしても毎年4億円の赤字が見込まれています。


 ムダな大型開発はやめて、くらし・福祉・防災にまわせ、耐震化など、地元業者が潤う生活に密着した公共事業に転換してこそ地域経済の循環も作れるというのが私の考えです。