2011年広島市長選記者会見――広島市長選にあたって

 
                      
 こんどの市長選挙は、国の悪政のもと、広島市がその悪政の推進の立場に立つのか、それともそれに立ちはだかって市民の暮らしと福祉を守る「防波堤」の役割を立つのかが問われる選挙です。
 私は「国の悪政から住民のくらしを守る防波堤」として、自治体本来の役割である住民のくらしを守るためにただの一歩も引かない市長として、また、秋葉市政のよい面は発展をさせ、問題点はあらため大型開発はゆるさない、というスタンスで市政にのぞみます。

  今、多くの広島市民の中に、政治と社会への深い閉塞感が広がっています。
 日本共産党広島市会議員団が昨年、市民のみなさんから集めたアンケートには、2500人のみなさんから今のくらしむきの苦しさが寄せられました。
 「国保料、介護保険料や医療費負担が増える一方、就職がない」「パートで食いつなぎ、仕事がないときは預金を取り崩しながら歯を食いしばって生活している」「結婚しても子どもを産もう、育てるという気にもなれない」広島の地場産業を支える中小零細企業からは「働いても働いても先の見通しが持てない」という声です。回答を寄せた2500人のうち、「くらしが良くなった」と答えた人は3%。「非常に悪くなった、悪くなった」という人62%にのぼります。
 そのような中で多くの国民が期待を寄せた民主党政権は、わずか1年半で自民党政権と「うり二つ」になってしまいました。後期高齢者医療制度などの公約を投げ捨てただけでなく、社会保障を切り捨て、負担増をおしつける計画を次々に打ち出しています。「財政難」と言いながら大企業には1兆5千億円もばらまき、証券優遇税制の延長も決め、さらに消費税増税やTPPへの参加に突っ走っています。


 地方政治の問題でも市民の願いと逆行した動きがこの間すすんできました。
 自公政権は、「地方分権」の掛け声で地方の切り捨てをすすめました。「平成の大合併」や「地方行革」、国から地方への交付税補助金などの削減は、地方自治体や地域社会の危機と崩壊という深刻な事態を引き起こしました。
 そして民主党政権は「地域主権」の名のもとに、それをさらに加速させる立場です。その中身は?自治体独自の仕事、住民の福祉と暮らしを投げ捨て、「官から民へ」のかけ声で保育園、学校給食、公立病院などの自治体の仕事を民間任せにしてしまうこと。?「大企業を呼び込めばそのおこぼれで地域が栄える」といって、大企業呼び込みのための誘致補助金やインフラ整備に巨額の税金を投入し、「道州制」によって自治体を大規模化していく。
 これは「住民の福祉と暮らしを守る」という自治体の原点を壊す流れだと思います。
 私はそういう今こそ、広島市が「国の悪政から住民のくらしを守る防波堤」として、自治体本来の役割を果たすよう、住民のくらしを守るためにただの一歩も引かない市長として、また秋葉市政のよい面は発展させ、問題点はあらため、大型開発は許さないという市長として奮闘いたします。

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 私は、次の3つの柱で広島市政を発展させます。

 (1)福祉とくらし最優先の市政をつくります (2)地域産業を徹底して応援します  (3)核兵器廃絶を現実のものに。被爆者援護をすすめます


(1)福祉とくらし最優先の市政
 保育園民間移管など、住民のための公共サービスを民間に丸投げする動きをゆるさず、福祉とくらしを良くする仕事に最優先でとりくみます。


 重点政策 
1)市民の要望が最も強い国保料を1世帯1万円引き下げます(事業費17億円)
2)子どもの医療費助成を小学校卒業までに拡大し、一部負担をなくして無料にします。(事業費20億円)
3)小中学校校舎の耐震補強工事を急ぎ、普通教室のエアコン整備10年計画を2013年度までに終了させます。(事業費 エアコン整備60億円、耐震補強Aランク74棟114億円)
4)特別養護老人ホーム、保育園の増設し、待機児解消をめざします

  
 ◇これらの財源は次の公共事業を見直すことで確保できます。◇
1)高速5号線・二葉山トンネルは中止。
2)広島駅の南北自由通路(127億円)は事業の簡素化やJR負担、必要性の是非を含めて検討します。
3)広島西飛行場は廃止します。


(2)地域産業を徹底して応援します
 広島市に根を張ってがんばる中小企業、地場産業農林水産業を応援することに徹する市政をつくります。
 私は、広島の地域産業の将来を展望した時、今、広島市で現にある、がんばっている力を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やし、さらに力をつける振興策――内発型、循環型の地域振興策に、広島市が徹することが必要だと考えています。そのことが地域経済に活力を与えるための中心課題だと思います。
1)「中小企業振興条例」を制定し、中小企業・地場産業・商店街への支援を抜本的に強化します。
2)住宅リフォーム助成制度をつくり地域の中小業者の仕事をふやして地域経済を活性化させます。
3)TPPは市民の食料と雇用を守る立場から、反対します。


 (3)核兵器廃絶を現実のものに。被爆者援護をすすめます
 この間、核兵器のない世界を追求する国際世論は大きな高まりをみせています。私はそれを現実のものにするうえで、2つの核心をなす問題があると考えています。一つは核兵器廃絶そのものを主題とした国際交渉の開始。もう一つは「核抑止力論」からの脱却です。「抑止力論」は核兵器を使用することが前提で成り立つ議論ですから、被爆体験を踏まえた核兵器廃絶のメッセージを世界に強烈に発信することが求められています。
1)原爆症認定基準の改善、「黒い雨」降雨地域拡大と被爆者認定を国に求めます。
2)被爆二世手帳を交付し、二世健診を制度化します。

もちろん、政策は今後大いに発展させ、いいことはどんどん今からでもとりくんでいこうと思っています。


今日の市長選記者会見の様子を報道する「広島民報」記事を紹介します。

福祉と暮らし、平和最優先で
 大西オサム広島市長候補が表明


 広島市長選(27日告示、4月10日投票)に初挑戦する日本共産党大西理氏(45)=県常任委員=が2月28日、村上昭二県委員長、中森辰一広島市議団長とともに、広島市役所で記者会見しました。
 大西氏は、?福祉と暮らし最優先?地域産業を応援?核廃絶を現実のものにし、被爆者援護を進める―の政策を掲げて奮闘すると表明。「国の悪政から市民の暮らしを守るため一歩も引かない市政をつくる」と述べました。
 「今回のオリンピック招致は終結、西飛行場は廃止、広島駅自由通路は再検討というのが私の立場だ」と話しました。


●大西氏の略歴 大阪経済法科大中退、県民主医療機関連合会などに勤務、民青同盟広島県常任委員、衆院選広島三区候補、参院選広島選挙区候補、県常任委員、国民運動委員会責任者。